「後でやる」は「やらない」と同じ？ 先延ばしを防ぐ学習習慣とは
「後でやる」は「やらない」と同じ？ 先延ばしを防ぐ学習習慣とは
勉強や仕事において、「後でやろう」と思ったまま放置してしまうことはよくあります。しかし、後回しにすることで理解が追いつかず、締め切り直前に焦る原因になってしまいます。本記事では、先延ばしを防ぎ、すぐに取り組める学習習慣を身につける方法を紹介します。
1. 先延ばしがもたらすリスクを理解する
「後でやる」と決めたことは、結局やらないままになることが多いです。その理由は、人間の脳が目の前の快楽を優先する傾向があり、面倒なことや負担を感じる作業を避けようとするためです。また、「後でやる」と考えることで一時的に安心感を得られ、実際には行動に移さず終わってしまうことが多くなります。さらに、タスクの遅れが積み重なると、次第にやる気を失い、モチベーションが下がる悪循環に陥る可能性があります。
- 短期的快楽を優先する：スマホやゲームの誘惑に負けやすい
- タスクの負担が大きく感じられる：やるべきことが多く、億劫に感じる
- 完璧主義の罠にはまる：「完璧に理解しないと進めない」と思い込む
こうした心理を理解することで、対策を立てやすくなります。
2. 先延ばしを防ぐ具体的な方法
ここでは、先延ばしを防ぎ、すぐに行動に移せるようになるための具体的な方法を紹介します。小さな行動を積み重ねることで、学習習慣を改善し、効果的に知識を定着させましょう。
(1) 5分ルールを活用する
「とりあえず5分だけやる」と決めることで、学習のハードルを下げましょう。5分経つと、意外とそのまま続けられることが多いです。もし5分もできなければ、1分や30秒でも構いません。とにかく手をつけることで、心理的な壁を低くし、習慣化につなげることが大切です。
(2) 「今すぐやる」習慣を作る
わからないことが出たときに迷わず行動できるよう、あらかじめ対処法を決めておきましょう。例えば、「わからない単語は辞書で調べる」「問題が解けなかったら解説を読む」「それでも解決しなければ誰かに質問する」など、自分なりのルールを設定することで、スムーズに学習を進められるようになります。
- わからないことが出たら、その場で参考書やノートを見直す
- すぐに調べられない場合はメモを取り、後で必ず見返す
- 小さな目標を決めて、達成感を得る（例：「10分間だけ問題を解く」）
(3) タスクを細分化する
「問題集を1冊やる」ではなく、「1ページだけ解く」「3問だけ解く」といった小さな目標を立てることで、心理的負担を軽減できます。
具体例として、以下のような工夫が考えられます。
- 単語学習：1日に50個覚えるのではなく、5個ずつ短時間で確認する。
- 演習問題：1セット10問を一度に解くのではなく、まず3問だけ取り組んでみる。
- 暗記作業：1章丸ごとではなく、まずは1節だけを徹底的に理解する。
- 読解問題：1記事全て読もうとせず、まずは最初の段落だけ要約してみる。
(4) 環境を整える
スマホを遠ざける、集中しやすいスペースを確保するなど、学習に取り組みやすい環境を作ることも重要です。
具体的には、以下のような工夫が効果的です。
- スマホを別の部屋に置く：勉強中に通知が気にならないようにする。
- 机の上を整理する：必要なものだけを置き、余計なものを片付ける。
- 静かな場所を選ぶ：騒音の少ない環境で集中する。
- 適度な明るさを確保する：目に優しい照明で集中力を高める。
- 勉強専用スペースを作る：ベッドやリラックススペースではなく、机に向かう習慣をつける。
(5) 1日の終わりに振り返る
「今日はどんなことを学んだか」「わからないことは解決できたか」を振り返る習慣をつけると、先延ばしを防ぎやすくなります。また、翌日のスケジュールを立てることで、タスクの優先順位が明確になり、モチベーションも向上します。
具体的な方法：
- 学習ノートを作成：毎日学んだことを記録し、復習しやすくする。
- チェックリストを活用：その日の目標達成度を確認し、達成感を得る。
- 翌日の計画を立てる：優先順位を決め、取り組むべき内容を明確にする。
- 小さな成功を振り返る：「今日は〇〇ができた」とポジティブに考える。
- 改善点を見つける：できなかったことを振り返り、次に活かす対策を考える。
3. 習慣化するための工夫
学習習慣を身につけるには、継続する仕組みを作ることが大切です。
- 「やったことリスト」を作る：達成感を得るために、解決した疑問を記録する
- ご褒美を設定する：「〇〇を終えたらお菓子を食べる」など、小さな報酬を設ける
- 友達と共有する：「今日解決した疑問」を共有することでモチベーションを上げる
おわりに
「後でやろう」は「一生やらない」につながる可能性があります。なぜなら、やるべきことを後回しにするほど心理的なハードルが上がり、ますます手をつけにくくなるからです。
しかし、その流れを断ち切るためには、まずは小さなことから始めるのが効果的です。たとえば、1分だけ問題を解いてみる、単語をひとつ覚えてみる、といった簡単な行動でも十分です。大事なのは、「やる」ことに対する抵抗を減らし、少しずつ継続できる環境を作ることです。
今日から「今すぐやる」を意識し、小さな行動を積み重ねていきましょう。